カービングを気軽く、簡単に始めるために知っておきたいこと
今では、大半の人が、年賀状をパソコンで作成するようになりました。
パソコンを使う以前は、年1回の年始のご挨拶・年賀状を、自筆や版画などで、書いていました。
毎年、版画絵の年賀状をくださる方がいて、楽しみにしていました。
私も小・中学生の頃は、版画を彫って、その作品を墨などでハガキに刷って年賀の挨拶としたものです。
木版もありましたが、手早いところでサツマイモでイモ版画も作りました。
話しの始まりから、何故、年賀状の話かと言いますと、子どもの頃から親しんでいた版画が、カービングと似ていると思ったからです。。
なんだかカービングの果物やニンジンなどに彫刻する技法と似ていませんか?
カービングと仮名文字で表記すれば、なんだか素敵で、おしゃれなアートに思えますが、子どもの頃のイモ版画と同じ経歴のアートかもしれません・・・。
外国発祥のアートですが、どのような技法なのか、本当に難しいものなのかみてみましょう。
イモ版画や木版画と同じように、気軽に始めることが出来るアートならば、どのように始めたらよいか考えてみましょう。
目次
カービングが簡単に始められる訳3つ
制作することで得られる充実感
カービングを始めて10年の私が作ったもの
初心者でも簡単に始められるソープカービング
カービングが簡単に始められる訳3つ
私たちがカービング作品としてよく目にするのが、野菜やフルーツ、石鹸にカービングした作品です。
「あぁ、なんて繊細に彫られているんだろう・・・」
とため息交じりに、作品に見入った経験はありませんか?
確かに、本当にハイレベルな作品を見ると、とても手の届かない技術に思えるかもしれません。
でも、ため息をつき、とてもできないと諦める前に知って欲しいことがあります。
それは、カービングの技術が、決して難しくて、収得困難な技術では、ないということです。
元々、カービングは、タイの宮廷料理に使われた伝統文化の一つと、されていますが、私たちの和食の中にも、飾り切りという、大根を菊の花に見立てて酢の物に入れるなどの文化があり、共通するものを生活の中で体験しています。
和食の飾り切りは、切って作るものであり、タイ・カービングは彫って作るといった技術の違いはありますが、文化としては、私たちにとって、身近な技術といえます。
さらに、簡単に始められる訳として3つあげることが出来ます。
①コストがかからない
カービングに必要なものが2つあります。
それは、カービングナイフと適宜の素材です。
適宜の素材とう表現しましたが、材料として、石鹸や季節の野菜、果物を使うことを指しています。
カービングナイフは、最初の内は複数本揃える必要はなく、技術の習得と共に次第に増えるだろうと判断します。。
ソープカービングやフルーツ&ベジタブルカービンだということであれば、1本のナイフで、しばらくの間は練習出来ることでしょう。
私が使っている道具と材料は、下記のような物です。
●カービングナイフとカービング用石鹸
楽天市場 ペリカン石鹸 プチベリィソープの通販
●使いやすい石鹸です。他の石鹸もあります。
ネット通販を利用するのであれば、他にもありますので、選択してください。
②材料が手に入りやすい
カービングの種類としましては、5種類あります。
◎フルーツカービング
果物に装飾を施すためのカービングです。素材はスイカ、メロン、パイナップル、オレンジ、パパイアなど、比較的皮が厚く制作しやすい硬さのものが使われます。
◎ベジタブルカービング
野菜を使ったカービングです。食べることを目的にカービングするのではなく、見た目の美しさを強調するためのものです。素材はきゅうり、かぶ、大根、ニンジンなどで、ハロウィンのジャックランタンのかぼちゃもベジタブル・カービングの一種です。
◎ソープカービング
石鹸を素材にしたカービングです。
◎カービング・ろうそく
ろうそくを素材にしたカービングです。
◎バードカービング
一個の木片から鳥の形を削りだし、他の素材で細かい部分の細工を施し、全体を彩色して、本物の鳥とそっくりに模型を作るカービングです。足の部分には針金などの素材、眼にはガラス素材を使い、よりリアルな仕上がりを目指すものが多くなっています。
◎フィッシュカービング
魚をモチーフにしたカービング。技術や手法はバード・カービングに順じるものです。
<Wikipedia カービング 参照>
現在、最も愛好されているカービングは、ソープカービングとフルーツ&ベジタブルカービングです。
ソープカービング用石鹸の購入として、楽天市場をリンクしました。
ペリカン石鹸社のイチゴミルク石鹸の他、楕円形の石鹸なども購入できます。
野菜や果物は、近くのスーパーなどで手に入れることができますので、手に入れやすいことでしょう。
夏になるとスイカ、秋になるとリンゴと楽しいフルーツカービングが楽しめます。
③制作するのに場所を取らない
思いっきり物づくりを、楽しみたいと思っても、自宅での作業になってしまいます。
家族のことを考えて、広く物を広げることが出来ないことが多いものです。
でも、カービングは大丈夫です。机にマットを広げた範囲で、作業ができます。
さらに、片付けも簡単です。ソープカービングのときは、切り落とした石鹸の粉は、ネットに入れて、手洗いに使うこともできます。
制作することで得られる充実感
カービングのこと、少しはハードルが低いと感じることができましたか?
カービングナイフは、ネット通販を利用して、購入することになりますが、石鹸は、デパートやスーパーなどの販売店でも見つけることができます。
先ずは、ナイフと石鹸を用意してスタートしましょう。
物づくりは、最も大きな喜びとして、作ったそのものが世界に一つの存在であるということです。
さらに、仕上げるまでの時間、その作業に集中していることに、心の充足感を感じることができます。
自分だって、何かを作り上げることが出来るんだ、という達成感をあなたも味わうことが出来ることでしょう。
カービングを始めて10年に私が作ったもの
私は、カービングに限らず、物づくりをして、それを仕上げた時に、大きな達成感と、心の充足感を感じています。
私が、カービングと出会ったのは、私が起業した各種講習と手づくり品販売の店「セレンディピティ」の講習科目にカービングが加わった時です。
その時まで、野菜や果物、石鹸に彫刻する技術については、情報ゼロの状況でした。
彫刻に対して全く無関心だったと言う訳ではありません。
若い時には木彫りに取り組んだこともあり、黙々と進めることが出来る彫るという作業が、好きでした。
木版画など、割合大きい作品に、取り組んだこともありましたが、カービングで、ラムネの玉のようなラディッシュに、初めて模様を彫った時、ラディッシュの皮の赤と中身の真っ白さで表現した模様に感動したことが、今でも忘れられません。
あの日から10年が経っています。当時からの作品で、画像が残っている物を紹介します。
制作した作品です。
●ソープカービング ダリア バラ
ダリア
- 中央に1円玉の大きさの円を軽く描き(印をつける感じ)刃先をその線の上から6~7ミリ垂直に入れ、そのまま円筒形を作るようにぐるりと切る。中心の部分をドーム型の花芯になるように面取りしていく
- 中心のドーム型を八等分して、外側から中心に向かって線を入れる(傘を広げた感じ)
- 外側の第一周の花びらは、花芯に入れた線と線の間をv字に切り抜いていく。これを3~4段繰り返す
- 最後は葉の形に切抜き、中心にやや太い葉脈を作り、その両サイドに細い葉脈を作る
バラと8枚のレース模様
- 中心に1円玉を置き、軽く円の印をつける
- 円の印の少し外側を、垂直にナイフを入れ、丸く切り込みを入れていく
- 三分咲きのバラを作るため、中心を円柱形にしたら、傷が亡くなるまで整える
- 5枚の花びらをつくり、2周目は3枚、3周目も3枚、花芯は少し切り込みだけ入れる。
- 適当な所で、ギザギザ模様の葉っぱを作り、最後はぐるりと整える
●野菜&フルーツカービング リンゴ スイカ
基本のダリアデザインとギザギザ模様
- 中心から2㎝の半径で円を薄く描き、八等分する
- 均等にするため、半径より1~2ミリ内側に印を入れる
- 中心から印より外側までカーブに切り込み、印を無くしていく
- 八ヶ所の切り込みデザインの間に、小さめの同じデザインを彫っていく
- 大きい切れ込みの先端をつなぐように、ナミナミを円みを持たせて彫っていく。ナミナミ沿って削る時は、削る部分(白い箇所)もデザインになるので慎重に!(ここが石鹸と違うところです)
- 最後に、リンゴ側面の模様は、切り込み5か所の中心を大き目に(リンゴ中心と同じ模様)彫り、左右は少し小さ目に彫る
スイカの器
- ダリアと葉っぱの合体作品
- 花芯部分をドーム型に切る
- 整えたら、下から中心部分の上に向かって、なだらかなS字模様を描きながら、切り取っていく
- 外側を整え、八等分にして、V字カットを3周ほどする。
- 4週目は、花びらを重ねて、大きく波を打たせながら、切り込んでいく
- 器の周りに、葉っぱを切り、その葉のラインに沿って切り、中身を切り抜く
初心者でも簡単に始められるソープカービング
ソープカービングとフルーツ&ベジタブルカービングについて、体験談として話題にしました。
私も始めようと思っていただけたら、嬉しいです。
本当に、初心者の方でも、簡単に始めることができます。
とは言え、やはり“好き”と思えた心が、一番大切なことだと思います。
だんだんレベルが高い技術を習得したくなれば、それなりに努力が必要になってくることも事実です。
ナイフの先端を、微妙に動かしてナミナミラインを彫るなど、今でも私にとって、至難の技と思えるところです。
刃先が、私の意思とは違う方向に彫り進んでいくときなど、
「あぁ、止まって!!」
と心が叫んでいますが、後の祭りです。
そんな、技で仕上がった作品でも、仕上がってみれば、世界に一つの作品に違いなくて、笑顔になってしまいます。
さあ、あなたもナイフの一彫りを、リンゴに、石鹸に描いてみませんか?
人生がきっと充実を増すに違いありません。
私のgooblogでも、カービングの練習風景を話題にしています。リンクを貼りますので訪問していただけたら嬉しく思います。
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物づくりは、作品が仕上がるだけでも、楽しいものです。
が、しかし、あと一つの幸せの方法も提案したいと考えています。
それは、作った作品が、誰かにとって、お金を払う価値があると思える物になった時です。
作って、販売してみてください。
また、違った形の物づくりの楽しさを実感できると思います。
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