透かし手織り模様を入れて夏糸ショールを作りました
今年も暑い夏になりそうです。
あの強い日射しの攻撃をどのように防ごうと思われていますか?
頭は帽子をかぶる。
腕は、腕用手袋を使う。
もっとも無防備な状態になる首筋は、どのように守りましょうか・・?
そこで、お勧めなのが夏用マフラーです。
暑いのにどうしてマフラーなんかするの!ってお考えですか?
これがとても効果的なんです。
夏用マフラーやショールは、コットンや麻を材料にして作りますから、汗をかいたときには、汗を拭くことができますし、その後は、洗濯して清潔に使えます。
さらに、夏のおしゃれとしても、高い効果が狙えます。
こんな提案がしたくて、久しぶりに夏用ショールを作りました。
その様子を、話題にしたいと思います。
目 次
1.道具と素材について
2.デザインは透かし織りを模様にする
3.制作過程
4.まとめ
1.道具と素材について
先ず、道具は機織り機を使います。
機織機と言うと、部屋いっぱいの大きさを考えますが、現在は、卓上に置いて使えるコンパクトな織機があります。
机や作業台に置いて、手軽に作業が出来ますのでお勧めです。
私が使っているのは、オープンリードの織機です。
楽天市場 さきおり手織り機/Clover(クロバー)手織り機咲きおり
卓上式 オープンリードです。
大きさとして幅40㎝と60㎝があります。
最初だからと40㎝を選びましたが、ショールなど幅広の物を作りたくなり、60㎝が必要になりました。
最初から60㎝を選ぶ方が賢明です。
道 具
織機:卓上式 オープンリード Clover 咲おり 40㎝ソウコウ:30羽
材 料糸:中細混紡糸 5玉
サイズ織りサイズ:幅36㎝×長さ160㎝(房の長さ10㎝×2は含まない)
2デザインは透かし織りを模様にする
夏ですから暑苦しいデザインは、避けたいと思います。
肝心の首筋の周りをしっかり覆い、日射しを避けることと汗取りを目的にデザインを考えます。
首筋の周囲の織り地は、平織りで織り、それ以外の部分は模様が重なって厚地にならないようにします。
選んだ模様は、透かし織りです。
上記のサイズの全体図で模様の部分に、透かし織りを入れていきます。
画像は、整経台から外した作品です。
この模様を主に考えて織っていきます。
3.制作過程
1.道具と材料の画像で、使用する物を明示しました。
整経台・30羽ソウコウ・シャトル・クシ・スティック・ワープスティック・マジックテープ・ハサミ・定規・・・
たて糸とよこ糸の必要量を計算してみましょう。
⒈たて糸
①たて糸:中細混紡糸
②密 度:30羽ソウコウの場合は3本/㎝
③たて糸の本数:36㎝×3本=108本
④たて糸の長さ:160㎝+50㎝(ムダ糸)=210㎝ 210㎝×1.1(縮む分)≒2.4m
⑤たて糸の量:2.4m×108本=259.2m
⑥たて糸は整経台の穴、中央の穴からサイドの穴は20㎝ サイドからサイドまでは40㎝の長さとして、1本240㎝の長さで108本かけます。
1 ●ソウコウから中央の穴まで20㎝+中央の穴からサイドの穴まで20㎝
●スティックのサイドからサイドまでの長さは40㎝。1図は、1本のたて糸の長さを(20㎝+20㎝+40㎝+40㎝+40㎝+40㎝+40㎝)を示しています。
2図は、たて糸が全てかかった状態です。
この時、たて糸の端はオレンジ色のホルダーで挟み込むようにフロントローラーに取り付けます。
竿ソウコウからフロントローラーに取り付けたたて糸の張りの強さは、均等にします。
たて糸がかかったら織り始めましょう。
2.よこ糸
①よこ糸;中細混紡糸
②密 度:35段/10㎝(平織りの部分)
③よこ糸の段数:140㎝×35段=490段(平織りの部分) 19段×2か所=38段 490段+38段=528段
④よこ糸の量:幅36㎝×528段≒191m 191m×1.1=210m
3.よこ糸の織り方
↓ ①フロントローラーと織り始めのソウコウの間の5㎝ほどのたて糸は、房になる部分です。
②棒状に折った紙をたて糸に通して、たて糸と一緒にフロントローラーに巻き込みます。
③織り始めます。ほつれ止めを別糸で3段織ってから、中細混紡糸で平織りを5㎝織ります。
※平織りの部分は、強く打ち込み過ぎないようによこ糸の密度に注意します。打ちこみが強すぎると糸の間が狭くなり、途中で糸が足りなくなり、出来上がりサイズが短くなります。
④5㎝の平織りの最後は、一番右のたて糸がよこ糸の下を通っている状態で終わらせます。
⑥最初の透かし織りを織ります。透かし織りは、隣り合う2本のたて糸を絡めて、模様にします。
⑦最初の透かし織りは、1本右回りで絡ませます。
4 3 2 1
●隣り合う1番の糸と2番の糸を絡ませます。2番の糸が1番の糸の下を通って上糸になり、その隙間によこ糸を通します。
●平織りを2段織ります。
⑧2番目の透かし織りは、1本左回りで絡ませます。
●隣り合う1番の糸と2番の糸を絡ませます。1番の糸が2番の糸の下を通って上糸になり、その隙間によこ糸を通します。
●平織りを5段織ります。
⑨3番目の透かし織りは、2本右回りで絡ませます。
●1,2,3,4の4本並んだたて糸で1組の模様を作ります。3,4の糸が1,2のの糸の下を通って上糸になり、その隙間によこ糸を通します。
●平織りを5段織ります。
⑩この後は、⑧を織り、最後に⑦を織りますと透かし織りの1模様ができました。
⑪透かし織りが終わると平織りを110㎝織ります。
⑫ ⑪の平織りが終わると2個目の透かし織りを、⑦、⑧、⑨、⑩の手順で織ります。
⑬片方の透かし織りが終わると、平織りを25㎝織ります。ここで、本体は出来上がりました。
⑭残ったたて糸をバックローラーから切り離します。
⑮ショールが整経台から、切り離されました。
⑯房を整えます。房は4本ずつのネクタイ結びで整えます。
⑰全ての房をネクタイ結びをしたら、10㎝の長さに切り揃えます.
⑱房ができました。
⑲最後は、柔軟剤を加えた40℃のお湯に30分つけ、ネットに入れて脱水してから、乾かします。
⑳仕上げに軽くアイロンをかけて、整えます。
完成しました!!
4.まとめ
夏糸ショールが出来上がりました。
透かし織りの模様を両端に入れました。
夏用ということで、模様で織りが重ならない柄にしました。
反面、首筋の部分は、日射しを遮ること、汗を吸うことを考慮して、平織りにしました。
平織りの部分は、引き締め過ぎないように注意しましたので、柔らかい織り地に仕上がっています。
全体的に、透かし織りの模様が入っていますので、涼しさが感じられるショールになっています。
これからの強い日射しに、この一枚が大活躍することでしょう。
日射しから皮膚を守ると共に、汗を拭いても大丈夫です。
混紡糸で仕上げていますので、洗濯も大丈夫です。一層、生地が柔らかくなり、使い心地がよくなることでしょう。
洗濯は優しく手洗いをしていただき、仕上げにアイロンをあててお使いいただきますと、汗が拭けるという実用性に加え、おしゃれもお楽しみいただけます。
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